【LGBT】もしも、あなたの恋人がゲイ・レズビアンだったら?
もう1ヶ月ほど前のことになりますが、
LGBT系Youtuberのかずえちゃんが、同じくYoutuberのカズさんの奥様、えりさんとやっていらっしゃる「かずえり恋愛相談」のコーナーで、
「もしも。。。あなたの旦那・彼氏がゲイだったら?」
というのをあげていらっしゃいました。
この問題、もちろんレズビアン界でも聞く話です。
かずえりさんの間では答えは出てませんでしたが、わたしもどーしても想いが止まらなくなったので、勝手に、レズビアンの端くれなりの回答をしてみたいと思います。
本来こういうのはYoutubeのコメント欄に書けや、って話だとは思うんですが、
コメント欄で収まるサイズにできなかったので、個人的にブログでまとめることにしました。
かずえちゃん、えりさん。万が一見ていらしたら・・・好きです。いつも応援しております(。☉౪ ⊙。)
- はじめに
- 自分はゲイ・レズビアンだけど異性との結婚を考えている人へ
- 恋人に実はゲイ・レズビアンだと告げられたけど、それでも結婚しようと考えている人へ
- 結婚後に自分がゲイであることを自覚する人もいる
- 最後に
はじめに
前提をお話ししておきますと、
わたしはレズビアンで、同性のパートナーと結婚してます。
10年以上今のパートナーと一緒にいるので、とりあえずレズビアン歴は最低でも10年以上ということになります。
とは言っても十人十色、十ゲイ十カラーなので、それぞれ考え方は違うし何が正しいわけでもないので、当事者が言うからと言って説得力が上がるとは思いません。
が、まぁ、読むのはタダですのでね。いちレズビアンの意見としてお受け取りください。
自分はゲイ・レズビアンだけど異性との結婚を考えている人へ
彼氏や彼女に、自分が実はゲイ/レズビアン(レズビアンも含めて「ゲイ」といえるのでこれ以降は「ゲイ」でまとめます)であることをまだ伝えていない状態で、世間体や親のことを考えて異性と結婚しようと考えている、あなた。
結論から言うと、わたしがまず考えてみては?とご提案したいことは2点です。
- 異性と結婚後にもしも日本で同性結婚が合法になってもそのパートナーと結婚生活を続けられるか?と自分に問いかける。
- 結婚する前にゲイであることをパートナーに伝える。
1.について、同性結婚が合法になったら異性のパートナーとは別れて同性のパートナーと幸せになりたい、と言うならそもそも結婚すべきではないです。
相手にとっては、「あなた」が一生を添い遂げようと決めたパートナーなのです。法律が変わったとか知ったこっちゃありません。
それでも結婚する場合は、最低限 2.はやっておきましょう。
それもしない場合は、どんな修羅場もドンと来い!と言う気持ちでやるしかないでしょうが、笑って済ませられる話には到底なりませんので、そのつもりで。
2.については、カミングアウトが簡単じゃないことは重々承知しています。
それが付き合ってる相手に対してとか、死ぬほど逃げ出したい気持ちなのは激しくお察しします。
でも、結婚する前に伝えなければ、状況は「悪く」しかなりません。
世間体や親のことを考えると
「異性と結婚してゲイであることを墓場まで持っていかなければいけない」
とか
「自分さえ我慢して黙っていれば誰も傷つかない」
と思っているかもしれません。
でもね、結婚っていい時ばかりじゃないんです。
単純にお互いの何かが気に食わなくてケンカすることもあれば、
自分の中の疲れやストレスが原因で、パートナーにつらく当たってしまったり、逆に当たられてしまったり、ということもあるんです。
そういう時「墓場まで持っていく」はずの覚悟がプツンっと切れてしまうこともある、と考えておいた方が現実的です。
結婚とは他人同士が家族を作る共同作業です。
その人から生まれたわけでも、育ててもらったり育てたわけでもない人と、一つ屋根の下、新しい家庭を作るということです。
本人同士だけではなく、両親、親戚、お互いの友人も関わってきます。
独身時代には想像もしなかった心の変化を経験します。
良くも悪くも、結婚前の今の精神状態が安定的に続くことは、絶対にないのです。
しかも、あなたがまともな人なら「ゲイであることを隠している状態」が相当な罪悪感を生んでいることは容易に想像がつきます。
そして、数あるストレス源の中でも罪悪感が一番人間に悪い影響を与えるストレスであると言われています。
罪悪感を抱え続けると、それだけで自分の精神を蝕まれる可能性もあるのです。
しかもパートナーとしては、知らないところで悩んでいることでストレスを溜めて、そのイライラや不満を当てられても、理解できずに不快または不安になるだけです。
自分自身と大切な周りの人のためにも、長い目で見て「自分へのストレスが少なくなる方法」を考えてください。
そして何より、異性のパートナーをどういう形であれ愛している、結婚を考えるほど気にかけているのであれば、その人の気持ちや、将来を想像してみてください。
結婚から数年経って、自分が抱え切れなくなったタイミングで、
「実はゲイです。もう隠しているのが辛いので別れてください」
と言うのは、あまりにも身勝手です。
もしもわたしが今の奥さんに、
「実はストレート(異性愛者)です。ずっと言えなかったけど実は男性が好きで、もうレズビアンとして生きてるの辛いから別れて」
とか言われたら、
「は?じゃあ、この10年は一体なんだったの?」と、
とんでもない虚無感やら疑心暗鬼な気持ちやらで精神ぐちゃぐちゃになると思います。
想像しただけでつら。。。
相手が真剣に結婚を考えてくれているならなおさら、こちらも真剣に、正直に向き合うべきです。
それは、ゲイでもストレートでも同じことだとわたしは考えています。
恋人に実はゲイ・レズビアンだと告げられたけど、それでも結婚しようと考えている人へ
ここからは視点を変えて、カミングアウトされた側の方へ向けての意見をお伝えしますね。
ゲイの方々の中には、異性結婚をしていて、
奥さんや旦那さんに自分がゲイ(またはバイセクシャル)であることを伝えた上で結婚している
と言う人もいらっしゃいます。
お互いがその事実に納得した上で、夫婦として幸せに生活できるなら、それもひとつの家族の形だとわたしは思います。
ただあなたが、パートナーが同性愛者であることで
同性との浮気を容認しなければならない、とか
あなた自身の欲求が満たされない、とか
そういったことが少しでも引っかかるようであれば、どれだけ愛していても、尽くしても良い!と思ったとしても、結婚という形に持っていく必要はないと思います。
なんの後ろめたさもなく、幸せいっぱいで結婚したカップルだって離婚することはあるくらいです。
自分にはどうしようもないことで我慢が募ってくると、
ネガティブな感情はポジティブな感情よりも人に伝染しやすいので、相手にも伝わります。
そして、相手がまともな人であれば「やっぱり無理させているのかな」という罪悪感に苛まれることもあると思います。
さっき上でも言ったように「結婚はいい時ばかりじゃない」ので、
険悪期が来たときに「我慢できる精神状態」でなくなってしまう可能性があります。
それでも結婚することを選ばれる場合は、相手が将来的に同性の方へ完全に行ってしまう可能性があることを念頭に入れつつ、夫婦間でのルールを一応決めておくのがいいかもしれませんね。
例えば、
お互い浮気はOKだけど全て情報をシェアすること(ポリアモリー的なやつ)
とか。
ストレートカップルでもそういうご夫婦もいらっしゃいますもんね。
結婚後に自分がゲイであることを自覚する人もいる
このケース、実はレズビアンでは非常に多い気がします。
男性のゲイの方もそういう方はいらしゃるとは思いますが、
わたしの周りでは、女性の方で、
男性と結婚した後に自分が実は女性が好きなんだと気がついて、
もう結婚しているし、どうしよう・・・
と悩む方が実際にいます。
この場合、なんと言ってあげればいいか、本当に悩むところではあるんですが、結論としては、
「同性愛も異性愛も同じことだから、特定の気になる人がいる場合や、もう完全に今のパートナーと結婚生活を育てていく気持ちがないなら、今のパートナーに正直に話しをした上で、次に進むべきでは?」
という回答をしています。
何も言わず影でこそこそしてたら、相手が異性であれ同性であれ、浮気は浮気になっちゃいますからね。
そうなるとどちらも幸せにはなれないと思うのです。
なんというか… 相手を思いやる愛情を持って、自分も大切にするというのが何よりも優先すべきことだと考えています。
最後に
またまとまらない文章になりましたが、そりゃまとまらないぜ、という気もしています。
実際、このような葛藤の渦中にいる当事者を前にした時、こんなにズバッと意見は言えませんでした。
特に日本では、ゲイ・レズビアンはまだまだ受け入れられているとは言い難い状況です。
なんでも欧米の真似をしろとは思いませんが、上手くいっていることはお手本にして、みんなが幸せになれる結婚の形を日本でも増やしていきたいなぁと思ってます。
書くことで自分の想いがまとまれば、と思って書きましたが、この内容がいつかどなたかのお役に立つことがあれば幸いです。