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【LGBT】杉田水脈議員はLGBTへの誤解のかたまりのような人だと思う

 LGBTのL、レズビアンでアメリカで結婚生活を送っているマキコムです。

 

杉田水脈議員の「『LGBT』支援の度が過ぎる」論考でLGBTコミュニティからの激しい批判が上がっている、と言う記事を見て、当事者のわたしとしても意見をまとめておきたいなぁと思ったので、書くことにしました。

 

同性婚反対派のみなさま向けに書いた別の記事もどうぞ。

unicornmess.hatenablog.com

 

【目次】

 

LGBT当事者は差別されていないという無知

「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか。もし自分の男友達がゲイだったり、女友達がレズビアンだったりしても、私自身は気にせず付き合えます」

この杉田議員の言葉から、この人はLGBT当事者の友達や近い知り合いがいないんだな、ということがすぐにわかります。

LGBT当事者がカミングアウトすることは、日本では簡単なことではありません。したがって、カミングアウトする方としても相手を選びます。

 

杉田議員は「私自身は気にせず」ということですが、あなたが差別するかしないか、ではなくて、世の中に差別する人がいる事実と、無知による「悪気のない差別」が存在することを理解されていないようでびっくりしました。

ヤフーニュースなどネットのLGBT関連記事を1度でも読んだことがあれば、そのコメント欄に少なからず差別的なコメントがあることがわかるはずです。

 

わたしは日本で仕事をしていた時、できるだけオープンでいたいと思って、上司も後輩も、クライアントさんも、親しくなった人には同性のパートナーがいることを話していましたが、はじめて伝えるときはやっぱり何度経験しても緊張するし、不安にもなります。

 

わたしが日本でカミングアウトするとき、ほとんどの人が

 

「10秒静止」→「え?どういうこと?」→「ちょっと理解できてないけど。。。ほんとの話??」→「レズビアンの人ってほんとにいるんだね。初めて会った」

 

というリアクションです。

これは人種差別でいうところの「カジュアルレイシズム」みたいな、悪気はない、無知だから起こるリアクションです。

 

また、差別というか、レズビアンがされるセクハラあるあるで言うと、ナルシスト傾向にある男性から「オレがだったら治してやるのに」と言われる、というのがあります。

 

こういう人に限って「オレはゲイとかレズビアンとか差別しないよ」と言いますが「治す」と言っている時点で「病気だから、まともじゃないから治した方がいい」と言っているようなものです。

 

わたしは「そういう残念な人もいるんだな」と流してましたが、自分のセクシャリティに悩んでいる人がこういうことを言われると、とてつもなく不愉快になりますし、差別されたと捉えると思います。

 

 

日本では欧米に比べてて、まだまだLGBT関連の情報や、当事者の声を聞く機会が少ないため、差別するつもりがない人でも、無知によって思わず差別していることがあるということも知っていただけたら嬉しいです。

 

 

未だにあるLGBTは「性的嗜好の話」という誤解 

「LGBTは、性的嗜好の話です。(略)私は中高一貫の女子高で、まわりに男性がいませんでした。女子高では、同級生や先輩といった女性が疑似恋愛の対象になります。ただ、それは一過性のもので、成長するにつれ、みんな男性と恋愛して、普通に結婚していきました」 

こういう誤解や誤認識が一般的にあることは当事者としてわかっています。

ただ、そういう話題に触れたことがある人なら、当事者でなくても「世間的にはこのような誤解があって、問題とされている」ことも知っているはずです。

 

政治家をしていて、LGBTに関する論考を寄稿する人の発言としては、勉強不足、視野が狭いと感じてしまいます。

 

杉田議員が所属している、自民党発行の性的指向・性同一性(性自認)の多様性について書かれたパンフレットには

 

「LGBTは本人の意思で選んだり変えたりするのが困難とされているのに、本人の意思や趣味・嗜好の問題との誤解が広まっている」

 

という自民党の考え方がちゃんと記載されています。

 

日本はこの無知による誤解が本当に多い。それが差別につながっています。

そのせいで、傷つく人たちがいます。

差別を恐れて、一人で悩み続けている人たちがいます。

悩んだ挙句、誰にも話せずに自分の命を絶ってしまう子供たちもいるのです。

 

 

わたしは当事者として、趣味や嗜好の問題ではないという正しい認識をひとりでも多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。

 

 

LGBTカップルは「生産性がない」の誤解

「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」

日本の生殖医療に関するルールについて勉強不足なので、同性カップルやMTF/FTMの方々が子供を授かりたい、と思った時にどんな方法があるのか、 わたしはまだ深く理解していないということ先に前置きしておきます。

 

わたしが住んでいるアメリカでは、子供を作ることに関して、ドナー精子、ドナー卵子を使う方法や、代理母出産、アダプション(養子)など、選択肢がたくさんあります。

そのため、LGBTカップルでお子さんがいる家庭もたくさんあります。

 

わたしたちの場合は女性ふたりなので、産科に行って「同性カップルとしてドナー精子で妊活したい」といえばいいだけです。ドナー精子も専門機関から自分たちで買うことができます。

今までの経験上、どこの産科に行っても同性カップルであることで差別されることはありません。

 

LGBTカップルに生産性がないというのは昭和の話です。

LGBTカップルで子供を持ちたいと考えている人は大勢いますし、異性カップルでも子供を持たない選択をする人たちもいます。

日本でも不妊治療の技術は進んでいますし、LGBTパートナーシップへの理解や法整備さえ進めば、解決される問題ではないでしょうか。

 

 

LGBTカップルは子供を作らない(作れない)という誤解と、子供を作らない=生産性がないという考え方が問題だと感じます。

 

 

 同性愛が不幸だという不幸な考え方

「マスメディアが『多様性の時代だから、女性(男性)が女性(男性)を好きになっても当然』と報道することがいいことなのかどうか。普通に恋愛して結婚出来る人まで、『これ(同性愛)でいいんだ』と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」 

 

「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は、『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」 

さすがにここまで言われると杉田議員の無知が過ぎていて、笑ってしまいました。

ツッコミどころが満載です。

 

多様性の時代だから同性愛者でいいと報道する、その理解がまず違っているように思います。

 

多様性の時代だからではありません。いつの時代でも、自分が自認する性で堂々と生き、自分の愛する人と一緒になれて、それを受け入れてもらえるというのが、本来あるべき世の中だと思うのです。

 

これまでLGBTへの明らかな差別があったり、受け入れない風潮があったこと、そのことについて議論されなかったことが問題だったわけです。

 

それが近年、

・欧米各国で同性結婚が次々と合法になり、世界もそちらの方向へ向かっていること

・インターネットの普及によりLGBT当事者が以前より容易に自分の体験をシェアできることができるようになったこと

から、LGBTを知る機会が一般的に増え、ようやくまともに議論できる環境になってきたから「多様性」という言葉を使ってわかりやすく理解を進めようとしている、というのが報道の意図だと思っています。

 

同性愛者は不幸ではありません。それを不幸だと思うあなたの心が不幸なのです。

 

わたしは今のパートナーに出会って、それまでの人生で感じたことがないくらい幸せな毎日を送っています。10年以上一緒にいますが、世界一幸せなカップルだと心から思っています。(のろけ。リア充注意)

ありがたいことに、両家族、友人もわたしたちの関係を受け入れてくれていますし、同性カップルの結婚を不幸だと考えている人はいません。

 

 

「常識」や「普通であること」の価値観はあなたが暮らす場所や、付き合う人、時代が変われば変わるものです。

 

必要な「秩序」とは、どんな問題にもまずは両極の意見を知り、理解したうえで、議論ができる世の中であることではないでしょうか。

 

 

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。

まだブログをはじめたばかりで説得力のない拙い表現もあったと思います。

ですが、こうやって少しずつでもLGBT当事者として意見をシェアすることが重要だなと思っています。

ひとりでも多くの人に当事者の思いを知ってもらえたら嬉しい限りです。